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犬の膀胱結石の症状・治療・予防を獣医師が解説【再発対策】
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犬の膀胱結石の症状・治療・予防を獣医師が解説【再発対策】

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監修: pet-dock獣医師監修チーム

犬の膀胱結石の症状・治療・予防を獣医師が解説【再発対策】

この記事のポイント

  • 犬の膀胱結石はストルバイト・シュウ酸カルシウム・尿酸・シスチンの4種類が主流
  • 頻尿・血尿・排尿時の痛みが典型的な症状。尿道閉塞は命に関わる緊急事態
  • ストルバイト結石は食事療法で溶解可能だが、シュウ酸カルシウムは手術が必要
  • 手術費用は5万〜20万円、食事療法は月3,000〜8,000円程度
  • 再発率が高いため、療法食の継続と水分摂取の徹底が予防の鍵

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犬の膀胱結石とは:どんな病気?

膀胱結石(ぼうこうけっせき)は、尿中のミネラルが結晶化し、膀胱内で石のように固まってしまう病気です。犬の泌尿器疾患の中でも非常に多く、特にメス犬や小型犬に好発します。

結石は膀胱粘膜を傷つけて血尿を引き起こすほか、尿道に詰まると尿が出せなくなる「尿道閉塞」を起こし、48時間以内に死亡することもある緊急疾患です。

膀胱結石の主な種類

犬の膀胱結石は成分によって4つに分類されます。それぞれ原因も治療法も異なります。

結石の種類 発生頻度 主な原因 治療法
ストルバイト 約40% 細菌感染(アルカリ尿) 食事療法で溶解可能
シュウ酸カルシウム 約40% 遺伝・高カルシウム尿 手術摘出が必須
尿酸塩 約10% 肝疾患・ダルメシアン遺伝 食事療法+薬物
シスチン 約5% 遺伝的腎尿細管異常 手術+予防食

なぜ犬は膀胱結石になりやすいのか?

原因1:水分摂取の不足

ドライフード中心の食生活で水をあまり飲まない犬は、尿が濃縮され結石ができやすくなります。特に冬場は飲水量が減るため要注意です。

原因2:尿路感染症

細菌(特にブドウ球菌・プロテウス菌)が尿素を分解するとアンモニアが発生し、尿がアルカリ性に傾いてストルバイトが形成されます。

原因3:遺伝的素因

犬種によって結石リスクが大きく異なります。

犬種 好発結石 リスク
ミニチュア・シュナウザー シュウ酸カルシウム 非常に高い
ヨークシャー・テリア シュウ酸カルシウム 高い
ビション・フリーゼ シュウ酸カルシウム 高い
ダルメシアン 尿酸塩 遺伝的に必発
ブルドッグ シスチン 高い
シーズー ストルバイト 中程度

原因4:肥満と運動不足

肥満犬は排尿回数が減り、膀胱に尿が長時間留まるため結石が形成されやすくなります。体型管理は予防の基本です。詳しくは犬の肥満解消ガイドをご覧ください。

どんな症状が出る?見逃してはいけないサイン

膀胱結石の症状は、膀胱炎とよく似ています。以下のサインに気づいたら早めの受診を検討しましょう。

初期症状

  • トイレに行く回数が増える(頻尿)
  • 1回の排尿量が少ない
  • 排尿時にいきむ・鳴く
  • 陰部をよく舐める
  • おしっこの色が濃い・ピンク色

進行した症状

  • 赤い血尿が出る
  • おしっこがポタポタしか出ない
  • 食欲低下・元気消失
  • 腹部を触ると痛がる

緊急症状(尿道閉塞)

以下の症状は48時間以内の処置が必要な緊急事態です。

  • おしっこが全く出ない
  • お腹がパンパンに張っている
  • 嘔吐・ぐったりしている
  • 呼吸が荒い

尿道閉塞は急性腎不全や膀胱破裂を引き起こします。夜間でもすぐに救急病院を受診してください。頻尿が気になる場合は犬の頻尿ガイドもあわせてご確認ください。

診断はどう進む?検査の流れ

問診・身体検査

まず飼い主から排尿状況を聞き取り、腹部触診で膀胱の張りや痛みを確認します。

尿検査

尿pH、結晶の有無、細菌感染、血液の混入などを調べます。ストルバイト結晶はアルカリ尿で、シュウ酸カルシウム結晶は酸性尿で出現します。

レントゲン検査

結石の種類 レントゲンでの見え方
ストルバイト よく写る
シュウ酸カルシウム よく写る
尿酸塩 写りにくい(造影必要)
シスチン 写りにくい

費用は動物病院のレントゲン代ガイドを参考にしてください。

超音波検査

レントゲンに写らない小さな結石や、尿酸塩・シスチン結石の確認に有用です。

結石の成分分析

摘出後に専門機関で成分を分析し、再発予防の方針を決定します。

治療法は?食事療法と手術の選択

ストルバイト結石:食事療法で溶解

ストルバイト結石は療法食によって4〜12週間で溶解可能です。

  • 尿pHを酸性化するミネラル調整食
  • ヒルズs/d、ロイヤルカナンpHコントロール、ドクターズケアストルバイトケアなど
  • 細菌感染がある場合は抗生剤を併用
  • 月々の療法食費:4,000〜7,000円

食事療法中は1〜2週間ごとに尿検査を行い、結石の縮小を確認します。

シュウ酸カルシウム結石:手術が必須

シュウ酸カルシウムは薬や食事では溶けないため、外科的摘出が必要です。

膀胱切開術(Cystotomy)の流れ

  1. 全身麻酔
  2. 下腹部を切開し膀胱を露出
  3. 膀胱を切開して結石を摘出
  4. 膀胱・腹壁を縫合
  5. 入院2〜3日

手術費用の目安

項目 費用の目安
術前検査(血液・レントゲン・エコー) 15,000〜30,000円
全身麻酔 15,000〜30,000円
膀胱切開手術 50,000〜100,000円
入院費(2〜3日) 10,000〜30,000円
病理・結石分析 5,000〜10,000円
合計 100,000〜200,000円

より詳細な費用内訳は動物病院の手術費用ガイドをご参照ください。

尿酸塩結石

ダルメシアンなど遺伝性の犬種では、低プリン食+アロプリノール投与で管理します。

シスチン結石

摘出手術後、シスチン尿を抑える療法食と2-MPG製剤で再発を防ぎます。

再発を防ぐには?家庭でできる予防対策

膀胱結石は**再発率が非常に高い(ストルバイトで約20%、シュウ酸カルシウムで約50%)**病気です。以下の対策を生涯継続することが重要です。

1. 水分摂取量を増やす

  • 新鮮な水を複数箇所に設置
  • ウェットフードを併用する
  • スープやゆで汁をトッピング
  • 自動給水器の活用

1日の必要水分量は「体重(kg) × 50〜60ml」が目安です。

2. 療法食の継続

結石溶解後も、再発予防用の療法食を続ける必要があります。一般フードに戻すと高確率で再発します。

結石タイプ 推奨療法食の特徴
ストルバイト 尿pHを弱酸性に維持、マグネシウム制限
シュウ酸カルシウム カルシウム・シュウ酸制限、クエン酸強化
尿酸塩 低プリン・低タンパク
シスチン 低メチオニン・尿アルカリ化

フードアレルギーがある場合はペットフードアレルギー対策もご参照ください。

3. 排尿をガマンさせない

散歩を1日2〜3回確保し、膀胱内に尿を溜め込まないようにします。留守番が長い場合は室内トイレの導入も検討しましょう。

4. 定期的な尿検査

再発は症状が出る前に結晶の段階で検出できます。3〜6ヶ月ごとの尿検査を習慣にしましょう。

5. 適正体重の維持

肥満は排尿回数の減少を招きます。BCS(ボディコンディションスコア)4〜5を目標に体重管理を行ってください。

いつ病院に行くべき?受診の目安

以下のいずれかに該当したら、早めに動物病院を受診しましょう。

  • トイレの回数が普段の倍以上になった
  • 血尿・ピンク色の尿が出た
  • 排尿時にいきむ・鳴く
  • おしっこの出が悪い
  • 陰部を頻繁に舐める

緊急受診が必要な症状

  • 24時間以上おしっこが出ていない
  • 腹部の膨満・激しい痛み
  • 嘔吐・虚脱

尿道閉塞は治療が遅れると致命的です。夜間でも迷わず救急病院に連絡してください。

まとめ:早期発見と継続管理が鍵

犬の膀胱結石は、早期に発見すれば食事療法で完治できるケースもあれば、緊急手術が必要になるケースもある幅広い病気です。特にミニチュア・シュナウザーやヨークシャー・テリアなどの好発犬種では、定期的な尿検査を生活習慣に取り入れましょう。

一度結石ができた犬は再発リスクが高いため、療法食と水分管理を生涯継続することが何より大切です。気になる症状があれば、早めに動物病院で検査を受けてください。

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