狂犬病予防接種の時期・費用・届出まとめ【2026年版・獣医師監修】
愛犬の狂犬病予防接種、毎年きちんと受けていますか? 日本では狂犬病予防法により、生後91日以上の犬に年1回の接種が法律で義務付けられています。この記事では、接種の時期・費用・届出手続きから、副反応への備え、免除が認められるケースまで、飼い主が知っておくべき情報を獣医師監修で徹底解説します。
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この記事のポイント
- 狂犬病予防接種は年1回・4〜6月の接種が原則。未接種は20万円以下の罰金の対象
- 費用は注射料金約3,000〜3,500円 + 注射済票交付手数料550円が一般的
- 集合注射(市区町村主催)と個別接種(動物病院)の2通りがある
- 高齢・持病・アレルギー歴がある犬は獣医師と相談の上、免除申請が可能
- 接種後30分は病院周辺で様子を観察し、副反応に備えること
狂犬病予防接種が「義務」である理由
狂犬病とはどんな病気か
狂犬病は、狂犬病ウイルスが哺乳動物に感染し、脳炎を引き起こす人獣共通感染症です。**発症後の致死率はほぼ100%**であり、有効な治療法が存在しません。
日本国内では1957年を最後に犬の狂犬病は確認されていませんが、世界では年間約59,000人が死亡しており(WHO推計)、アジア・アフリカを中心に依然として深刻な脅威です。日本の「清浄国」ステータスが維持されているのは、予防接種の義務化による集団免疫が機能しているからにほかなりません。
法的根拠と罰則
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 狂犬病予防法(昭和25年法律第247号) |
| 対象 | 生後91日以上のすべての犬 |
| 義務内容 | 市区町村への登録 + 年1回の予防接種 + 鑑札・注射済票の装着 |
| 未接種の罰則 | 20万円以下の罰金(第27条) |
| 接種期間 | 毎年4月1日〜6月30日(原則) |
接種時期とスケジュール
初回接種
子犬を迎えた場合、生後91日を過ぎたら30日以内に市区町村へ犬の登録を行い、狂犬病予防接種を受けます。ただし、混合ワクチンとの間隔を考慮して獣医師の指示を仰いでください。一般的には混合ワクチン接種後2〜4週間の間隔を空けることが推奨されています。
年次接種
2回目以降は毎年4月1日〜6月30日の間に接種を行います。多くの自治体では3月上旬〜4月初旬に通知はがきが届きます。
接種スケジュール例
| 月 | やること |
|---|---|
| 3月 | 自治体から通知はがきが届く。フィラリア予防の血液検査と同時に予約するのが効率的 |
| 4月 | 集合注射 or 動物病院で接種。注射済票を受け取り、鑑札と一緒に首輪に装着 |
| 5〜6月 | 4月中に受けられなかった場合はこの期間に。遅れても必ず接種する |
ポイント: フィラリア予防の血液検査(4月が推奨)と狂犬病予防接種を同日に済ませれば、通院回数を減らせます。ただし体調が万全でない場合は分けて受けましょう。
費用の詳細
集合注射と個別接種の費用比較
| 項目 | 集合注射(自治体主催) | 個別接種(動物病院) |
|---|---|---|
| 注射料金 | 2,950〜3,200円 | 3,000〜4,000円 |
| 注射済票交付手数料 | 550円 | 550円 |
| 合計 | 約3,500〜3,750円 | 約3,550〜4,550円 |
| 診察料 | 原則なし | 別途0〜1,500円の場合あり |
| 待ち時間 | 長い(30分〜1時間以上) | 予約制で短め |
| 副反応対応 | その場では限定的 | すぐに対応可能 |
初回登録時の追加費用
犬を初めて登録する場合は、登録手数料3,000円が別途必要です。登録は犬の生涯に1回のみで、鑑札が交付されます。
集合注射 vs 個別接種:どちらを選ぶべきか
集合注射が向いている犬
- 健康で過去に副反応がない
- 他の犬と会っても興奮しにくい
- 費用を抑えたい
個別接種(動物病院)が向いている犬
- 高齢犬(10歳以上):副反応リスクが高まるため、獣医師の管理下が安心
- 持病がある犬:心臓病・腎臓病・自己免疫疾患など
- 過去に副反応があった犬:接種前に問診・検査ができる
- 他の犬が苦手な犬:待合室で個別対応が可能
- フィラリア検査を同時に行いたい:同日に済ませて効率的
獣医師のワンポイント: 初めての狂犬病予防接種は、何かあったときにすぐ対応できる動物病院での個別接種をおすすめします。
副反応と接種後の注意点
副反応の種類と頻度
| 副反応 | 発生率 | 症状 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 軽度(よくある) | 5〜10% | 接種部位の腫れ・痛み、軽い元気消失、食欲低下 | 1〜2日で自然に改善。経過観察 |
| 中等度(まれ) | 0.5〜1% | 顔面浮腫(ムーンフェイス)、蕁麻疹、嘔吐 | 接種当日中に動物病院を受診 |
| 重度(極めてまれ) | 0.01%未満 | アナフィラキシー(呼吸困難、虚脱、チアノーゼ) | 緊急対応。直ちに動物病院へ |
接種後の過ごし方チェックリスト
- 接種後30分間は病院の近くで様子を観察する
- 帰宅後は激しい運動を避け、静かに過ごさせる
- シャンプーは接種当日は避ける(翌日以降OK)
- 接種部位を気にして掻いていないか確認する
- 食欲・元気・排泄を24時間チェックする
- 顔が腫れた、蕁麻疹が出た場合はすぐに動物病院へ連絡
接種免除が認められるケース
以下に該当する場合、獣医師が「狂犬病予防注射猶予証明書」を発行し、接種を免除できます。
| 免除理由 | 具体例 |
|---|---|
| 重篤な疾患 | 心不全、腎不全、重度の肝臓病、がん末期 |
| 高齢による体力低下 | 全身状態が著しく悪い超高齢犬 |
| 過去の重篤な副反応 | アナフィラキシーの既往歴 |
| 免疫抑制状態 | 免疫抑制剤を使用中、自己免疫疾患治療中 |
注意: 「高齢だから」「小型犬だから」だけでは免除の正当な理由になりません。必ず獣医師の診断と猶予証明書が必要です。証明書は毎年提出が必要で、市区町村の窓口に届け出ます。
届出・手続きの流れ
ステップ1:犬の登録(初回のみ)
- 犬を取得した日から30日以内(生後91日未満の場合は91日を経過した日から30日以内)
- 市区町村の窓口 or 動物病院(代行可能な地域あり)で手続き
- 登録手数料3,000円を支払い、鑑札を受け取る
- 鑑札は首輪またはハーネスに装着(紛失時は再交付1,600円)
ステップ2:狂犬病予防接種
- 動物病院 or 集合注射会場で接種
- 「狂犬病予防注射済証」を受け取る
ステップ3:注射済票の交付
- 「狂犬病予防注射済証」を市区町村窓口に提出
- 注射済票交付手数料550円を支払い、注射済票を受け取る
- 注射済票を首輪またはハーネスに装着
便利情報: 多くの動物病院では、注射済票の交付手続きを代行してくれます。接種時に確認しましょう。
マイクロチップとの関係
2022年6月から、ペットショップ等で販売される犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。マイクロチップの登録情報は犬の登録とは別制度です。
| 登録 | 管轄 | 目的 |
|---|---|---|
| 犬の登録(鑑札) | 市区町村 | 狂犬病予防法に基づく飼い主特定 |
| マイクロチップ登録 | 環境省 | 動物愛護法に基づく所有者明示 |
両方の登録を行うことが推奨されます。自治体によっては、マイクロチップの情報を犬の登録と連携させる「ワンストップサービス」を提供しているところもあります。詳しくはマイクロチップガイドをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 狂犬病予防接種は何月までに受ければ良いですか?
原則として4月1日〜6月30日の間に接種することが定められています。ただし、この期間外に接種しても法的に問題はなく、遅れても必ず受けてください。動物病院では通年で接種可能です。
Q2. 混合ワクチンと狂犬病ワクチンは同時に打てますか?
一般的には同時接種は推奨されていません。2〜4週間の間隔を空けることが望ましいとされています。どちらを先にするかは獣医師と相談してください。
Q3. 高齢犬でも毎年受けなければいけませんか?
法律上の義務は年齢に関係なく続きますが、高齢で体調が優れない場合は獣医師に相談のうえ猶予証明書を取得できます。「高齢だから自動的に免除」とはならないため、必ず獣医師の診断を受けてください。
Q4. 室内犬でも狂犬病予防接種は必要ですか?
はい、必要です。 室内飼いであっても法律上の義務に変わりはありません。散歩中に野生動物と接触する可能性もあり、万が一の感染リスクをゼロにはできません。
Q5. 接種後に元気がないのですが大丈夫ですか?
接種後24時間程度の軽い元気消失はよくある副反応で、多くの場合は翌日には回復します。ただし、顔が腫れる・繰り返し嘔吐する・ぐったりして動かないなどの症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。詳しくは犬のアナフィラキシー対応も参考にしてください。
Q6. 引っ越しした場合の手続きは?
転入先の市区町村で犬の登録変更手続きが必要です。鑑札を持参して新住所の窓口へ届け出てください。マイクロチップの登録情報も住所変更が必要です。
Q7. 接種を受けないとどうなりますか?
狂犬病予防法第27条により、20万円以下の罰金の対象となります。また、万が一犬が人を咬んだ際に注射済票がないと、保健所から犬の収容・殺処分を命じられる可能性もあります。
まとめ:4月は狂犬病予防接種 + フィラリア検査を同時に
狂犬病予防接種は飼い主の法的義務であると同時に、人間社会と愛犬を守る重要な感染症対策です。毎年4月のフィラリア予防検査と合わせて接種すれば、通院の手間も最小限に抑えられます。
受診セルフチェックリスト
- 今年の狂犬病予防接種は済んでいるか?
- 鑑札・注射済票は首輪に装着されているか?
- フィラリア予防の血液検査は予約済みか?
- 高齢・持病の場合、獣医師に接種の可否を相談したか?
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本記事はpet-dock獣医師監修チームが執筆・監修しています。記載内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。愛犬の状態に不安がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。