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犬がマダニに噛まれたときの正しい対処法【獣医師監修・緊急度チェック付き】
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犬がマダニに噛まれたときの正しい対処法【獣医師監修・緊急度チェック付き】

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監修: pet-dock獣医師監修チーム

犬がマダニに噛まれたときの正しい対処法【獣医師監修・緊急度チェック付き】

散歩から帰ってきた愛犬の体に、見慣れない黒い粒がついている。それが動いていたり、皮膚にしっかりくっついていたりしたら、マダニの可能性があります。マダニは犬に深刻な病気を媒介する危険な外部寄生虫です。正しい知識がないまま無理に取ろうとすると、かえって感染リスクを高めてしまいます。この記事では、マダニ発見時のNG行動、正しい対処法、媒介される病気、そして予防方法を獣医師監修で解説します。

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この記事のポイント

  • マダニを素手で引っ張って取るのは絶対NG(口器が残り感染リスク増大)
  • 発見したらまず動物病院で安全に除去してもらうのが最善
  • マダニはバベシア症・SFTS・ライム病など命に関わる病気を媒介する
  • SFTSは人にもうつる人獣共通感染症で、犬経由の感染事例も報告されている
  • 毎月の予防薬投与が最も効果的なマダニ対策

マダニとは? ダニとの違い

「ダニ」と聞くと家の中のホコリに潜むチリダニを思い浮かべるかもしれませんが、マダニはまったく別の生き物です。

マダニとチリダニの比較

項目 マダニ チリダニ(ハウスダストマイト)
大きさ 2〜10mm(吸血後は最大20mm) 0.2〜0.4mm(肉眼でほぼ見えない)
生息場所 草むら・山林・公園の植え込み 室内(布団・カーペット・ソファ)
吸血 する(数日間くっついて吸血) しない
感染症媒介 する(重篤な疾患を媒介) しない(アレルギーの原因にはなる)
肉眼確認 できる できない

マダニは日本全国に分布しており、特に**春〜秋(4月〜11月)**に活動が活発になります。草むらや藪の葉先に潜み、近づいた動物の体温・二酸化炭素・振動を感知して飛び移ります。


マダニを見つけたときのNG行動リスト

マダニを発見すると慌てて取りたくなりますが、以下の行動は絶対に避けてください

やってはいけないこと

NG行動 理由
素手で引っ張る マダニの口器(くちき)が皮膚内に残り、化膿や感染症のリスクが増す
ピンセットで無理に引き抜く 口器の残留リスクは同様。体液が逆流し感染リスクが上がる可能性
マダニを潰す 体内の病原体が放出され、犬や人への感染リスクが高まる
アルコール・お酢をかける マダニが苦しんで嘔吐反応を起こし、病原体を注入する可能性
火で焼く(ライター等) 犬の皮膚を火傷させる危険。マダニも逆に口器を食い込ませる
ワセリンを塗って窒息させる 時間がかかりすぎ、その間に病原体が伝播する可能性

鉄則: マダニを発見したら、触らずに動物病院へ行くのが最も安全な対処法です。


マダニ発見時の正しい対処手順

ステップ1:マダニであることを確認する

マダニは吸血前は2〜3mm程度の平たい褐色の虫で、吸血後は灰色〜暗灰色に膨らみ、最大で小豆大(10〜20mm)になります。犬の皮膚にしっかり固着しているのが特徴です。よくある見間違いとしてイボ・ほくろ・乳首などがあります。

ステップ2:マダニの数と部位を確認する

マダニは以下の部位に好んでくっつきます。

  • 耳の内側・耳の縁
  • 目の周り
  • 顎の下
  • 脇の下
  • 股の内側
  • 指の間
  • 肛門周囲

1匹見つかったら、ほかにもいる可能性があります。全身を丁寧にチェックしてください。

ステップ3:動物病院を受診する

動物病院では専用のダニ取り器具や鉗子を使い、口器を残さず安全に除去します。費用は1,000〜3,000円程度です(診察料別)。

自宅での応急処置(病院にすぐ行けない場合)

どうしてもすぐに病院に行けない場合の応急処置として、以下の方法があります。ただし、病院での処置が優先です。

  1. 先の細いピンセットを用意する(ダニ取り専用ピンセットが最適)
  2. マダニの**頭部(口器のできるだけ根元)**をピンセットでつかむ
  3. ゆっくり、まっすぐ上に一定の力で引き上げる(ひねらない・急に引っ張らない)
  4. 除去後、噛まれた部位を消毒液で消毒する
  5. 取ったマダニはテープに貼って保管する(病院で種類を確認してもらうため)
  6. 手は石けんで入念に洗う(素手で触った場合)

マダニが媒介する病気一覧

マダニが恐ろしいのは、単に血を吸うだけでなく、深刻な感染症を媒介するからです。以下が代表的な疾患です。

マダニ媒介疾患の一覧表

疾患名 病原体 犬の症状 人への感染 致死率
バベシア症 バベシア原虫 発熱、貧血、元気消失、黄疸、血尿 なし 治療しなければ高い
SFTS(重症熱性血小板減少症候群) SFTSウイルス 発熱、元気消失、白血球減少 あり(人獣共通) 人の致死率6〜30%
ライム病(ボレリア症) ボレリア菌 発熱、関節炎、跛行、リンパ節腫脹 あり(人獣共通) 低い(早期治療で回復)
日本紅斑熱 リケッチア 発熱、皮膚の紅斑 あり(人獣共通) 人は治療遅れで重症化
エールリキア症 エールリキア菌 発熱、鼻出血、貧血、体重減少 まれ 慢性化すると予後不良
ダニ麻痺症 マダニの唾液中の毒素 後肢の麻痺→全身麻痺→呼吸困難 なし ダニ除去で通常回復

特に注意すべき疾患

バベシア症

バベシア原虫が赤血球に寄生して破壊する病気で、西日本を中心に発生しています。重度の貧血が急速に進行し、治療が遅れると命に関わります。マダニの吸血開始から24〜48時間以降に感染リスクが高まるため、早期の除去が重要です。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

2013年に日本で初めて報告された比較的新しい感染症で、人にもうつる点が大きな問題です。犬が感染して症状を出すケースに加え、犬の体液や排泄物を介して飼い主が感染した事例も報告されています。緊急時の対応ガイドも合わせて確認してください。


マダニに噛まれた後の緊急度チェック

マダニを除去した後、以下の症状が出たらすぐに動物病院を受診してください。

緊急度チェックリスト

チェック項目 緊急度
噛まれた部位が赤く腫れ、広がっている 中(数日以内に受診)
発熱がある(39.5度以上) 高(当日中に受診)
元気がない・ぐったりしている 高(当日中に受診)
食欲が急に落ちた 中(翌日受診)
歯茎や結膜が白い(貧血の兆候) 緊急(すぐに受診)
尿が赤い・茶色い(血尿) 緊急(すぐに受診)
足を引きずっている(跛行) 中(数日以内に受診)
嘔吐・下痢が続いている 高(当日中に受診)
後肢がふらつく・力が入らない 緊急(すぐに受診)

マダニ媒介疾患の症状は、噛まれてから1〜3週間後に出ることが多いです。除去後2〜3週間は愛犬の様子を注意深く観察してください。


マダニ予防薬の種類と比較

マダニ対策で最も効果的なのは、毎月の予防薬投与です。ノミ・ダニ予防の詳細も参照してください。

予防薬タイプ別比較表

タイプ 代表的な製品名 投与方法 効果持続期間 マダニへの効果 ノミへの効果 価格帯(1回)
経口薬(チュアブル) ネクスガード、ブラベクト、シンパリカ 飲ませる 1か月(ブラベクトは3か月) 高い 高い 1,500〜3,000円
スポットオン(滴下) フロントラインプラス、マイフリーガード 首の後ろに滴下 1か月 中〜高い 高い 1,000〜2,000円
首輪タイプ プラクティック 首に装着 数か月 中程度 中程度 2,000〜4,000円

タイプ別のメリット・デメリット

タイプ メリット デメリット
経口薬 シャンプー・水遊びの影響なし。効果が安定 薬を飲ませる必要がある。嘔吐すると再投与
スポットオン 飲ませる必要がない。投与が簡単 シャンプー後2日は使えない。他の動物が舐めるリスク
首輪 長期間効果が持続 引っかかり事故のリスク。効果がやや不安定

獣医師のおすすめ: 近年はマダニへの駆除効果が高い**経口タイプ(チュアブル錠)**が主流です。おやつ感覚で食べられるフレーバー付きの製品が多く、飼い主・犬ともにストレスが少ないのが特徴です。


予防のためにできること

予防薬に加えて、以下の日常的な対策がマダニ被害の軽減に有効です。

散歩時の対策

  • 草むら・藪に入らない: 舗装された道を歩く
  • 散歩後の全身チェック: 耳・脇・股・指の間を重点的に確認
  • 虫除けスプレー: 犬用のディート不使用の虫除けスプレーを使用
  • 散歩コースの選択: 定期的に除草・管理されている公園を選ぶ

環境の対策

  • 庭の草を短く刈る: マダニは長い草の葉先に潜む
  • 落ち葉を掃除する: 湿った落ち葉はマダニの好む環境
  • 野生動物の侵入を防ぐ: シカ・タヌキなどがマダニを運んでくる

季節別の注意度

マダニ活動レベル 予防の推奨度
1〜2月 低い 地域による(暖地は注意)
3月 やや活発 予防開始を推奨
4〜6月 非常に活発 必須
7〜8月 活発 必須
9〜10月 非常に活発(秋のピーク) 必須
11月 やや活発 継続推奨
12月 低い 地域による

注意: 近年の温暖化により、冬でもマダニが活動する地域が増えています。獣医師と相談の上、通年予防を検討してください。


飼い主自身のマダニ対策も忘れずに

マダニは犬だけでなく人間にもくっつきます。特にSFTSや日本紅斑熱は人に重篤な症状を引き起こすため、飼い主自身の対策も重要です。

  • 散歩・アウトドア時は長袖・長ズボンを着用する
  • 帰宅後は自分の体もチェックする(特に頭皮・脇・股)
  • 犬についたマダニを素手で触らない
  • 感染した犬の体液(血液・唾液・尿)への接触を避ける
  • 体調不良があれば人間の医療機関も受診する

よくある質問(FAQ)

Q. マダニが自然に落ちることはありますか?

はい。マダニは吸血が完了すると(通常3〜10日後)自然に離れます。しかし、吸血中に病原体を伝播するリスクがあるため、見つけ次第早期に除去すべきです。

Q. 室内飼いでもマダニに噛まれますか?

散歩に行く犬であれば、室内飼いでもリスクはあります。また、飼い主の衣服にマダニがついて室内に持ち込まれるケースもあります。

Q. マダニ予防薬はいつから始めるべきですか?

一般的にマダニの活動が始まる3月頃から投与を開始し、11月頃まで継続するのが標準的です。温暖な地域では通年投与を推奨する獣医師も多くいます。費用の目安も確認しておきましょう。

Q. マダニに噛まれた犬と一緒に寝ても大丈夫ですか?

マダニが犬から人に直接移ることはまれですが、SFTSウイルスは犬の体液を介して人に感染する可能性があります。マダニがついているとわかったら、除去するまでは密接な接触を控え、寝具の共有も避けてください。


まとめ

犬がマダニに噛まれた場合、素手で取らない・潰さないが大原則です。マダニを見つけたら触らずに動物病院で安全に除去してもらいましょう。

マダニはバベシア症やSFTS(人にもうつる)など、命に関わる病気を媒介します。最善の対策は毎月の予防薬投与です。散歩後の全身チェックも習慣にして、愛犬をマダニの脅威から守りましょう。

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参考情報

  • 国立感染症研究所「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
  • 日本獣医師会「マダニ媒介性疾患に関する注意喚起」
  • 本記事はpet-dock獣医師監修チーム(臨床経験10年以上)が内容を監修しています
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