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猫の腎臓病ステージ別|余命と治療費・延命法を獣医師解説
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猫の腎臓病ステージ別|余命と治療費・延命法を獣医師解説

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猫の慢性腎臓病(CKD)ステージ別治療と余命を獣医師監修で徹底解説

【結論】 猫の多飲多尿・嘔吐・体重減少が見られたら24時間以内に受診を、7歳以上はCKDリスク高です。

この記事のポイント

  • 15歳以上の猫の約30〜40%が罹患する高齢猫の最大の死因
  • IRISステージ2で発見できれば中央生存期間1,100日超
  • 7歳以上のシニア猫は年2回の健康診断(血液+SDMA+尿検査)
  • 治療: 療法食・リン吸着剤・降圧薬・皮下輸液の組み合わせ
  • 変動要因: 年齢/IRISステージ/基礎疾患/治療開始タイミング

猫の腎臓病とは

猫は進化の過程で水分の少ない環境に適応したため、腎臓への負担が大きく、高齢になるとほぼ必発の疾患です。

猫CKDの特徴

  • 進行性・不可逆性
  • 症状が出る頃には機能の66%以上が失われている
  • 早期発見が寿命を左右する
  • 適切な管理で数年単位の延命が可能

IRIS ステージ分類(猫)

ステージ クレアチニン(mg/dL) SDMA(μg/dL) 状態
1 <1.6 <18 腎障害あり・無症状
2 1.6〜2.8 18〜25 軽度高窒素血症
3 2.9〜5.0 26〜38 中等度・症状出現
4 >5.0 >38 重度・尿毒症

中央生存期間(診断時ステージ別)

ステージ 中央生存期間
2 約1,100日(3年超)
3 約680日
4 約35日

ステージ2での発見が寿命を大きく左右します。


症状

ステージ1〜2(初期)

  • 水をよく飲む(多飲)
  • おしっこが多い・薄い(多尿)
  • 被毛の艶が悪い
  • 体重が少し減った

ステージ3

症状 詳細
食欲低下 徐々に
嘔吐 週数回
元気消失 活動量低下
便秘 脱水による
口臭(アンモニア臭) 尿素排泄不全
体重減少 顕著

ステージ4

  • 激しい嘔吐
  • 食欲廃絶
  • 脱水重度
  • 口内潰瘍
  • 低体温
  • 痙攣・昏睡

原因

原因 詳細
加齢性 最多。7歳以降から進行
先天性 多発性嚢胞腎(PKD):ペルシャに多い
感染性 腎盂腎炎、猫伝染性腹膜炎
中毒性 ユリ、不凍液、NSAIDs、抗生剤
尿路閉塞 尿道閉塞
高血圧 一次性・二次性

検査と早期発見

SDMA -- 早期発見の特に優れているツール

SDMA は腎機能低下をクレアチニンより平均9.8ヶ月早く検出できます。7歳以降の猫は年1〜2回の測定を推奨します。

検査 内容 費用目安
血液検査(BUN, Cre, SDMA) 腎機能評価 5,000〜12,000円
尿検査(比重、UPC比、沈渣) 最重要。比重<1.035で疑い 2,000〜5,000円
血圧測定 高血圧の評価 1,500〜3,000円
リン・カルシウム 電解質異常 含む
腹部超音波 腎サイズ、皮質厚、結石 5,000〜10,000円
T4(甲状腺) 甲状腺機能亢進症の除外 4,000〜8,000円

治療 -- ステージ別

ステージ1

  • 定期モニタリング
  • 水分摂取量の確保
  • 腎負荷を避ける(ユリ・NSAIDs)

ステージ2

治療 月額費用
腎臓療法食 5,000〜15,000円
リン吸着剤(必要時) 3,000〜6,000円
降圧薬(アムロジピン) 2,000〜4,000円
尿タンパク>0.4なら ACE阻害薬 3,000〜5,000円

ステージ3

  • 上記+皮下輸液(週2〜3回、自宅または通院)
  • 制吐剤(マロピタント)
  • 食欲増進剤(ミルタザピン、カプロモレリン)
  • 赤血球造血剤(ダルベポエチン)- 貧血時

ステージ4

  • 入院輸液(1日5,000〜12,000円)
  • 集中的な電解質補正
  • 輸血(重度貧血時)

療法食の重要性

猫CKD治療で最もエビデンスが強いのが腎臓療法食です。

栄養素 一般食 療法食
タンパク質 30〜40% 25〜30%(高品質)
リン 0.8〜1.5% 0.3〜0.6%
ナトリウム 0.3〜0.6% 0.2〜0.4%
オメガ3 強化
カリウム 標準 補強

代表例: ロイヤルカナン「腎臓サポート」、ヒルズ「k/d」、ピュリナ「NF」、Specific「FKW」

食べてくれない場合の工夫

  • 複数のメーカー・形状を試す(ドライ/ウェット/パウチ)
  • 少量頻回(1日4〜6回)
  • 人肌に温める
  • 低ナトリウムトッピング
  • 強制給餌は肝リピドーシスのリスクがあるため最終手段

【独自】自宅皮下輸液ガイド

獣医師の指導を受ければ自宅で実施可能です。

項目 内容
輸液剤 乳酸リンゲル液等
用量 体重1kgあたり10〜20ml
頻度 週2〜7回(ステージによる)
部位 首の後ろの皮下
所要時間 5〜10分
月額費用 3,000〜8,000円(輸液剤・針代)

注意点

  • 冷たいと嫌がるので人肌に温める
  • 毎回同じ場所は避ける
  • 無菌操作
  • 心疾患併発猫は慎重に

受診セルフチェック

  • 7歳以上
  • 水を飲む量が増えた
  • おしっこの量が増えた
  • 体重が減ってきた
  • 食欲にムラがある
  • 被毛の艶が悪い
  • 時々嘔吐する
  • 口臭が強い

2項目以上該当なら腎機能検査を受けてください。


よくある質問

Q. すぐ病院に行くべきですか?

多飲多尿、嘔吐、体重減少、食欲低下、毛づやの悪化、口臭が強いなどのサインが2項目以上あれば24時間以内の受診が目安です。特に7歳以上の高齢猫は症状が出てから受診すると既に腎機能の66%以上が失われているケースがあるため、無症状でも年2回の健康診断(SDMA・尿検査含む)が早期発見の鍵となります。

Q. 自宅でできる対処法はありますか?

新鮮な水を複数箇所に設置し、自動給水器や流れる水で飲水量増加を促すのが基本対処です。療法食を食べやすくするためにウェット化、温める、少量頻回給餌の工夫が選択肢となります。獣医師処方の療法食・薬の継続、皮下輸液(自宅でも実施可能・指導あり)、トイレ環境の清潔保持が在宅管理の柱です。

Q. 治療費はどのくらいかかりますか?

初診・血液検査・尿検査で1〜2万円、エコー・X線が必要な場合は2〜4万円が目安です。診断後は療法食・服薬・通院で月5,000〜2万円、皮下輸液を伴う中後期管理で月1〜3万円、入院治療を伴うと1回10〜30万円となるケースもあります。ステージ別費用詳細は猫CKDのステージ別治療費を参照してください。

Q. 早期発見のために何をすればよいですか?

7歳以上のシニア猫は年2回(半年に1回)の健康診断が目安です。血液検査(クレアチニン・BUN)に加えて、SDMA(クレアチニンより約10ヶ月早く腎障害を検出)と尿比重・尿タンパクの測定を含めると早期発見につながります。自宅では飲水量・尿量・体重の月次記録が変化検知に役立ちます。

Q. 何科を受診すればよいですか?

一般内科を標榜する動物病院でまず検査を受けるのが目安です。ステージ3〜4で透析や腎移植を検討する場合は二次診療施設や腎臓専門病院への紹介となるケースもあります。生涯にわたる継続管理が必要な疾患のため、信頼できるかかりつけ病院の確保が重要です。日頃から最寄りの動物病院を確認しておきましょう。


まとめ

猫の腎臓病は高齢猫の宿命とも言える病気ですが、早期発見と療法食・皮下輸液を中心とした包括管理で寿命を大きく延ばせます。7歳以降は年2回のSDMA検査を含む健康診断を習慣化してください。


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免責事項: 本記事は一般的情報を提供するもので、個別診療に代わるものではありません。

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