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フィラリア予防は年間1〜3万円|薬の種類別に費用比較【獣医師監修】
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フィラリア予防は年間1〜3万円|薬の種類別に費用比較【獣医師監修】

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監修: pet-dock編集部

フィラリア予防の費用はいくら?薬の種類別・体重別の料金相場と年間コストを徹底比較

「フィラリア予防っていくらかかるの?」「薬の種類が多くて、どれを選べばいいか分からない」 -- そんな疑問を持つ飼い主は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、フィラリア予防の年間費用は小型犬で約8,00018,000円、大型犬で約18,00035,000円が相場です。 これは薬代だけでなく、毎年必要な抗原検査や診察料を含めた金額です。

一方で、フィラリアに感染してしまった場合の治療費は10万~50万円以上になることもあり、予防は「最もコスパの良い投資」と言えます。

この記事では、フィラリア予防薬の種類別・体重別の費用相場から、検査料を含めた年間トータルコスト、そして費用を賢く抑える方法まで、飼い主が知っておくべき情報を網羅的に解説します。


フィラリア予防の費用相場 -- 薬の種類別に比較

フィラリア予防薬には大きく4つのタイプがあり、それぞれ費用が異なります。まずは月額費用の比較から見ていきましょう。

薬の種類別・月額費用一覧

薬のタイプ 投与方法 月額費用(小型犬) 月額費用(中型犬) 月額費用(大型犬) 特徴
錠剤タイプ 月1回経口投与 800~1,500円 1,200~2,500円 1,500~3,000円 最も安価。シンプルにフィラリアのみ予防
チュアブル(おやつ型) 月1回経口投与 1,000~2,000円 1,500~3,000円 2,000~3,500円 おやつ感覚で投薬しやすい。嗜好性が高い
スポット(滴下型) 月1回皮膚に滴下 1,000~2,000円 1,500~3,000円 2,000~3,500円 薬を飲むのが苦手な犬に向いている
注射タイプ 年1回注射 8,000~12,000円/年 10,000~15,000円/年 13,000~20,000円/年 年1回の通院で予防完了

上記は薬代の目安です。このほかに診察料(500~1,500円/回)が別途かかるのが一般的です。

注射タイプの費用を詳しく解説

注射タイプ(プロハートSR-12など)は、年1回の接種で12か月間フィラリアを予防できます。毎月の投薬が不要なため、投薬忘れの心配がありません。

体重区分 体重目安 注射費用(年1回) 月額換算
超小型犬 ~5kg 8,000~10,000円 約670~830円
小型犬 5~10kg 9,000~12,000円 約750~1,000円
中型犬 10~25kg 10,000~15,000円 約830~1,250円
大型犬 25~40kg 13,000~18,000円 約1,080~1,500円
超大型犬 40kg以上 15,000~20,000円 約1,250~1,670円

月額換算すると注射タイプはコストパフォーマンスが高いように見えますが、副反応のリスクが経口薬よりやや高いとされるため、必ず獣医師と相談のうえ選択してください。特に体調が安定しない犬、高齢犬、妊娠中の犬には使用できないことがあります。


体重別・年間トータルコスト試算表

ここでは多くの競合記事が見落としている「年間トータルコスト」を算出します。薬代だけでなく、毎年必須の抗原検査費用と診察料を含めた実質的な負担額を把握しましょう。

前提条件

  • 投与期間: 7か月(関東エリアの標準的な期間。5月~11月投与)
  • 抗原検査: 年1回(1,500~3,000円)
  • 診察料: 初回1,000円(検査時のみ。通販で薬を受け取る場合は不要な場合あり)

年間トータルコスト一覧

体重区分 錠剤(7か月分+検査) チュアブル(7か月分+検査) スポット(7か月分+検査) 注射(年1回+検査)
超小型犬(~5kg) 8,100~13,500円 9,500~16,500円 9,500~16,500円 11,500~14,000円
小型犬(5~10kg) 8,100~13,500円 9,500~17,000円 9,500~17,000円 12,500~16,000円
中型犬(10~25kg) 10,900~20,500円 13,000~24,000円 13,000~24,000円 13,500~19,000円
大型犬(25~40kg) 13,000~24,000円 16,500~27,500円 16,500~27,500円 16,500~22,000円
超大型犬(40kg以上) 16,100~31,000円 21,000~35,500円 21,000~35,500円 18,500~24,000円

ポイント: 超小型犬~小型犬は錠剤タイプが最もコストを抑えられます。一方、大型犬以上では注射タイプの方がトータルで安くなるケースもあります。


オールインワン予防薬という選択肢 -- ノミ・マダニ対策も同時に

フィラリア予防と同時に、ノミ・マダニ・腸内寄生虫も駆除できる「オールインワン予防薬」が近年の主流になりつつあります。別々に購入するよりもトータルで安くなる場合が多い点に注目してください。

主なフィラリア予防薬と対応範囲

製品名 タイプ フィラリア ノミ マダニ 腸内寄生虫 小型犬の月額目安
ミルベマイシンA 錠剤 - - ○(回虫・鉤虫・鞭虫) 800~1,200円
カルドメック/イベルメック チュアブル - - ○(回虫・鉤虫) 1,000~1,500円
ネクスガードスペクトラ チュアブル 2,000~3,000円
クレデリオプラス チュアブル 2,000~3,000円
レボリューション スポット ○(ノミのみ) - ○(回虫・耳ダニ) 1,200~2,000円
プロハートSR-12 注射 - - - 年1回 8,000~12,000円

コリー系犬種(コリー、シェルティ、ボーダーコリーなど)の注意: イベルメクチン系成分を含む薬は副作用リスクが高いため、ミルベマイシン系が推奨されます。必ず獣医師に犬種を伝えてください。

オールインワンの費用メリット

フィラリア予防薬とノミ・マダニ駆除薬を別々に購入すると、月額で2,5005,000円以上かかることがあります。オールインワンタイプなら月額2,0003,000円程度に収まるため、年間で数千円~1万円以上の節約になるケースも少なくありません。


予防しなかった場合の治療費 -- 予防は「最もコスパの良い投資」

ここでは競合記事がほとんど触れていない、フィラリアに感染した場合の治療費と比較してみます。予防の経済合理性を数字で確認しましょう。

フィラリア感染時の治療費の目安

感染の進行度 治療内容 治療費の目安 治療期間
軽度(無症状~軽い咳) 駆虫薬投与+経過観察 3万~10万円 数か月
中度(咳・運動不耐・体重減少) 駆虫薬+心臓薬+定期検査 10万~20万円 半年~1年
重度(呼吸困難・腹水・心不全) カテーテル手術+集中治療 20万~50万円以上 長期

予防費用 vs 治療費の比較

項目 費用(小型犬の場合)
年間予防費用(チュアブル7か月+検査) 約10,000~17,000円
10年間の予防費用 約10万~17万円
フィラリア感染時の治療費(中度) 10万~20万円(1回の治療で)

10年間予防を続けた場合の費用が、たった1回の中度感染の治療費とほぼ同額です。しかもフィラリア症は重症化すると命に関わる病気であり、治療しても完全に元通りになるとは限りません。

フィラリア予防は、愛犬の健康を守りながら家計も守る「最もコスパの良い投資」と言えるでしょう。


フィラリア予防の投与期間 -- 地域別ガイド【2026年最新】

フィラリアは蚊を介して感染するため、蚊の活動時期に合わせて予防薬を投与します。**「蚊が出始めた1か月後から投与開始、蚊がいなくなった1か月後に最終投与」**が基本的な考え方です。

地域別の投与期間と費用への影響

地域 推奨投与期間 投与月数 錠剤の年間薬代目安(小型犬)
北海道 6月~11月 6か月 4,800~9,000円
東北 5月~12月 8か月 6,400~12,000円
関東・中部 5月~12月 8か月 6,400~12,000円
関西 4月~12月 9か月 7,200~13,500円
九州 4月~12月 9か月 7,200~13,500円
沖縄 通年(1月~12月) 12か月 9,600~18,000円

温暖化で投与期間が長期化している

近年の気候変動により、蚊の活動期間は全国的に長期化傾向にあります。特に都市部ではヒートアイランド現象の影響で冬場でも蚊が確認されるケースがあり、通年予防を推奨する獣医師も増えています。

お住まいの地域の最新の投与期間については、かかりつけの動物病院で確認することをおすすめします。


フィラリア予防の抗原検査 -- 費用と必要性

毎年のフィラリア予防を始める前に、必ず受けるべきなのが「抗原検査」です。

抗原検査の概要

項目 内容
検査費用 1,500~3,000円(血液検査)
検査時期 予防開始の1~2か月前が理想的
所要時間 採血後10~15分程度で結果が出る
検査方法 少量の採血でフィラリア成虫の抗原を検出

なぜ毎年検査が必要なのか

フィラリアに感染した状態で予防薬を投与すると、体内のミクロフィラリア(幼虫)が一斉に死滅し、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性があります。「去年もちゃんと予防していたから大丈夫」と思っても、投薬の吐き出しや体内での吸収不良などで感染している可能性はゼロではありません。

安全に予防を始めるために、毎年の抗原検査は必要な費用として考えてください。


フィラリア予防費用を賢く抑える5つの方法

予防が大切だと分かっていても、費用はできるだけ抑えたいもの。安全性を犠牲にせずコストを下げる方法を紹介します。

1. まとめ買い割引を活用する

多くの動物病院では、春の予防シーズン(34月頃)にフィラリア予防薬のまとめ買いキャンペーンを実施しています。78か月分をまとめて購入すると、1か月分が無料になるなどの特典が受けられることがあります。

2. オールインワン予防薬を選ぶ

前述の通り、フィラリア・ノミ・マダニ・腸内寄生虫をまとめて予防できるオールインワンタイプは、別々に購入するより結果的に安くなるケースが多いです。

3. 狂犬病ワクチンや健康診断と同日に受診する

フィラリアの抗原検査を、狂犬病ワクチン接種や年1回の健康診断と同じ日に行えば、診察料を1回分にまとめられます。春の予防シーズンに一括で受診するのが効率的です。

4. かかりつけ病院を活用して継続割引を受ける

一部の動物病院では、継続的に通院している飼い主向けに予防薬の割引を行っています。かかりつけ医を決めて定期的に受診することで、信頼関係が築けるだけでなく費用面でもメリットがあります。

5. 体重管理で薬のサイズを最適化する

フィラリア予防薬は体重区分ごとに価格が異なります。愛犬の適正体重を維持することは、薬代の節約にもつながります。肥満による1ランク上の体重区分への移行は、年間で数千円のコスト増になることがあります。

注意: 費用を抑えるために「予防期間を短縮する」「予防をやめる」という判断は絶対に避けてください。感染した場合の治療費と犬の健康リスクは、節約額とは比較にならないほど大きいです。


ペット保険はフィラリア予防に使えるか

フィラリア予防薬の費用は、ペット保険の補償対象外です。 予防医療は保険の適用範囲に含まれないためです。

ただし、以下のケースでは保険が適用される可能性があります。

  • フィラリアに感染してしまった場合の治療費(入院・手術・投薬)
  • フィラリア予防薬の副作用に対する治療費

予防費用は自己負担となりますが、前述の通り年間10,00020,000円程度の予防費で、10万50万円の治療費リスクを回避できると考えれば、十分に合理的な支出です。

ペット保険の詳細については「ペット保険の選び方ガイド」も参考にしてください。


こんな場合はすぐ動物病院へ

以下に当てはまる場合は、できるだけ早くかかりつけの動物病院を受診してください。

  • 予防薬を投与後に嘔吐・下痢・ぐったりするなどの異変がある
  • 予防薬の投与を2か月以上忘れていた(感染リスクがあり、検査が必要)
  • 咳が出る、運動を嫌がる、お腹が膨れている(フィラリア症の代表的な症状)
  • フィラリア予防をしていない犬を保護した
  • 他の犬から譲り受けた直後で、予防歴が不明

フィラリア症は早期発見・早期治療が重要です。症状が出てからでは心臓や肺に深刻なダメージを受けている可能性があります。


まとめ -- フィラリア予防費用の全体像

項目 費用目安
抗原検査(年1回) 1,500~3,000円
錠剤タイプ(月額/小型犬) 800~1,500円
チュアブルタイプ(月額/小型犬) 1,000~2,000円
スポットタイプ(月額/小型犬) 1,000~2,000円
注射タイプ(年1回/小型犬) 8,000~12,000円
年間トータル目安(小型犬) 8,000~18,000円
年間トータル目安(大型犬) 18,000~35,000円
  • 薬の種類は錠剤・チュアブル・スポット・注射の4タイプ。犬の性格と生活スタイルに合わせて選ぶ
  • オールインワンタイプはノミ・マダニ対策も同時にでき、別々に購入するより割安になる場合が多い
  • フィラリアに感染した場合の治療費は10万~50万円以上。予防は最もコスパの良い健康投資
  • 費用を抑えるにはまとめ買い割引・オールインワン選択・同日受診が効果的
  • 毎年の抗原検査は必須。安全に予防を始めるための重要なステップ

フィラリア予防は3月~4月に準備を始めるのがベストタイミングです。まだ今年の予防の準備ができていない方は、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. フィラリア予防薬を1か月飲ませ忘れたらどうすればいいですか?

気づいた時点ですぐに投与し、翌月から通常のスケジュールに戻してください。1か月程度の遅れであれば、感染リスクは比較的低いと考えられています。ただし、2か月以上空いてしまった場合はフィラリア感染の可能性があるため、動物病院で抗原検査を受けてから予防を再開することを強くおすすめします。

Q2. 猫にもフィラリア予防は必要ですか?

猫もフィラリアに感染するリスクがあります。猫のフィラリア症は犬と比べて診断が難しく、少数の虫体でも重篤な症状を引き起こす可能性があるため油断できません。特に蚊の多い地域や、屋外に出る猫には予防を推奨する獣医師が増えています。猫用にはレボリューションなどのスポットタイプが一般的で、月額1,000~1,500円程度です。

Q3. フィラリア予防薬はネット通販で買えますか?

海外からの個人輸入という形でネット購入は可能ですが、注意が必要です。フィラリア予防薬は動物用医薬品であり、本来は獣医師の処方のもとで使用するものです。通販では毎年の抗原検査を受けずに投薬してしまうリスクがあり、万が一感染した状態で予防薬を投与するとショック症状を起こす危険があります。安全性を最優先に考え、動物病院での処方を推奨します。

Q4. 注射タイプと内服薬タイプ、どちらがおすすめですか?

どちらが良いかは犬の状態や飼い主のライフスタイルによります。注射タイプは年1回の通院で済むため投薬忘れの心配がなく、月額換算のコストも低めです。一方で副反応リスクがやや高く、使用できない犬もいます。内服薬タイプは副反応が比較的少なく、オールインワン製品を選べばノミ・マダニ予防も同時にできます。かかりつけの獣医師に犬の年齢・体調・犬種を伝えたうえで相談してください。

Q5. フィラリア予防の費用は医療費控除の対象になりますか?

ペットの医療費は人間の医療費控除の対象にはなりません。ただし、事業用の動物(番犬など)の場合は経費として計上できるケースがあります。一般的な家庭のペットについては、税制上の優遇はありませんが、前述の通り、予防によって高額な治療費リスクを回避できるという経済的メリットがあります。


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この記事は獣医師の監修のもと作成されています。ただし、フィラリア予防の具体的な薬の選択や投与スケジュールは個体差があるため、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

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